佐藤 忠彦教授
Tadahiko Sato
研究分野
個々の企業のマーケティング活動の高度化に寄与するために、マーケティング・サイエンスや統計モデルなどの手法を活用した実証研究を行っています。現在の 主要な研究テーマは以下の通りです。状態空間モデルによる動的消費者購買行動のモデル化とその応用/大規模データの高度活用に関する研究/非線形フィルタ 等の逐次モンテカルロ計算法の研究/ベイジアンモデリング。
略歴
- 1995年 3月 東京理科大学理工学研究科数学専攻修了
- 1995年 4月 (株)ライテック
- 1998年 4月 (財)流通経済研究所
- 2004年 3月 総合研究大学院大学数物科学研究科統計科学専攻修了 博士(学術)
- 2005年 4月 筑波大学大学院ビジネス科学研究科講師
- 2007年10月 筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授
- 2011年 1月 情報・システム研究機構 統計数理研究所 客員准教授
- 2014年 4月 筑波大学ビジネスサイエンス系教授
- 2014年 10月 情報・システム研究機構 統計数理研究所 客員教授
学生へのメッセージ
マーケティングではID付きPOSデータに代表される大規模なデータが利用可能な状態になってきています。その積極的な活用によるマーケティングの高度化 を実現するために、マーケティング・サイエンスは重要度が増しています。明確な問題意識をもち、新しい課題にチャレンジできる皆さんの入学を期待しています。
担当科目
- <修⼠課程>マーケティング・リサーチ,マーケティング・エンジニアリング,時系列分析
- <博⼠課程>マーケティング・サイエンス特論
指導論文表題
- 顧客の購買行動分析による店舗分類とプロモーション仮説の抽出
- 百貨店における消費者満足の構造把握の研究
- 医療用医薬品プロモーションの実証分析
- 情報源の利用状況に即した消費者セグメンテーションによる情報評価と態度形成の関係
- 医師の異質性を考慮した医薬品業界における営業訪問効果の分析
- 新製品の需要予測
- 非集計ロジットモデルによる鉄道経路選択行動変化の解析
- 状態空間モデリングによる広告効果の研究
- Web上の行動データを用いた個人特性に関する研究
- 医薬品ライセンス判断のメカニズムに関する研究
- 個別企業の異質性を考慮した経営者業績予想に関する研究
- Q&Aサイトにおける投稿行動の解析
- ストア・パトロネージに対するストア・イメージとコミットメントの効果に関する研究
- リテール金融における潜在ニーズを考慮したブランド・コミットメント形成に関する研究
- OTC医薬品の新製品マネジメント高度化のための研究
- 購買パターンと消費パターンの関係性メカニズムに関する研究
- 娯楽小説の消費者評価構造に関する研究
- インド消費者の業態選択行動に関する研究
- 新聞広告の効果に関する研究
- 消費財カテゴリーにおける消費者セグメントを考慮した購買間隔に関する研究
- 企業間取引における意思決定構造とプロモーションに関する研究
- ITシステム導入時の購買意思決定メカニズムに関する研究
- 医師の処方行動メカニズムに関する研究
- 顧客セグメント別の来店間隔メカニズムに関する研究
- 医師の薬剤評価メカニズムに関する研究
- 耐久消費財におけるチャネル選択行動の研究
- BtoB 顧客のモバイルアプリケーション利用行動メカニズムに関する研究
- 階層ベイズ回帰による宅配外食チェーンの市場反応に関する研究
- 美術展の消費者満足構造に関する研究
- 状態空間モデルによる検索トレンドに対する広告効果に関する研究
- 階層ベイズネスティッドロジットモデルによる旅行サイト予約行動メカニズムの解明
- ソフトウェアエンジニアの企業選択メカニズムに関する研究
- モール型ECにおける優良顧客の併買メカニズムに関する研究
- ECサイトにおける顧客ロイヤルティ形成メカニズムに関する研究:ポイントの快楽的価値の役割
- 人間ドックの受診行動に関する研究
- 月額定額制有料動画配信サービスの視聴メカニズムに関する研究
- 広告主企業のWEBメディア広告出稿行動に関する研究
- がん領域における医師の異質性を考慮した薬剤選択メカニズムに関する研究
- GMS店舗の類型における品揃えの適正化に関する研究
- テレビ視聴行動メカニズムに関する研究
- 不動産価格の予兆管理のための基礎的研究
- テレビ受像機における放送と配信の時間的代替関係の研究-どのような放送が配信に代替されるのか-
- 野菜選択のメカニズムに関する研究
- テレビドラマの実況ツイートにおける盛り上がりメカニズムに関する研究
- 定期利用型別荘サービスにおける継続利用意図メカニズムに関する研究
- ECサイト顧客のサイト訪問行動と商品詳細閲覧行動メカニズムの同時分析
- 電子漫画サービスの閲覧行動に関する研究
- 医師の薬剤選択のメカニズムに関する研究(効用最大化/後悔最小化)
- 百貨店における個人別消費者行動モデルに関する研究(博士)
- 製薬企業の人的販売における市場反応メカニズムの研究(博士)
- 消費者・時間的異質性・競争構造を考慮した市場反応メカニズムに関する研究(博士)
- 小売業における心理会計の消費者行動に対する影響メカニズムの研究(博士)
所属学会
日本統計学会,応用統計学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会,マーケティング・サイエンス学会
著書・論文
著書
- 照井伸彦,佐藤忠彦(2022),「現代マーケティング・リサーチ【新版】」,有斐閣
- 佐藤忠彦(2015),「マーケティングの統計モデル」,朝倉書店
- 佐藤忠彦,樋口知之(2014),「第8章:ベイジアン・モデリングによる動的ブランド診断」,『ブランド評価手法-マーケティング視点によるアプローチ(守口剛,佐藤栄作 編著)』,朝倉書店
- 照井伸彦,佐藤忠彦(2013),「現代マーケティング・リサーチ」,有斐閣
- 佐藤忠彦・樋口知之(2013)「ビッグデータ時代のマーケティング-ベイジアンモデリングの活⽤」, 講談社
- 佐藤忠彦(2013),「第3章:時系列状態空間モデルのためのベイズ推測(翻訳)」,『ベイズ計量経済学ハンドブック(照井伸彦 監訳)』,朝倉書店
- 佐藤忠彦(2012),「第9章:小売サービス」,『サービス工学の技術-ビッグデータの活用と実践(本村陽一,竹中毅,石垣司 編著)』,東京電機大学出版局
- 佐藤忠彦,樋口知之(2009),「第4章:動的売上反応モデルによる小売価格戦略の評価―状態空間モデルの適用」,『(シリーズ ビジネスの数理第7巻)マーケティング・経営戦略の数理(西尾チヅル,桑嶋健一,猿渡康文 編著)』,朝倉書店
論文
- 佐藤忠彦, 領家美奈(2022),一つの説明変数に対する複数の異質性係数をもつ階層ベイズ回帰モデル ,日本統計学会誌 Vol.52,No. 1,1-32
- 佐藤忠彦(2022),経営学のためのデータサイエンスの周辺:計量経営学のすすめ,組織科学,Vol.55,No.3,4-20(招待論文)
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2022),ブロッククラスタリングによるドラッグストアにおける商品カテゴリーの購買分析,行動計量学,Vol.49,No.1,83-98
- Yamada Hiroki and Sato Tadahiko(2020), An Analysis of Mechanism for Customers' Purchase Amount and Number of Visits in Department Store, Journal of the Operations Research Society of Japan, Vol.64(No.1),pp.1-19
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2020),ポアソン潜在ブロックモデルによるドラッグストアにおける購買データの解析,行動計量学,Vol.47,No.2,pp.161-172
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2020),百貨店顧客の購買金額に対するマーケティング施策に関する解析,行動計量学, Vol.47, No.1, 41-57
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2020),同一商業集積地に隣接する店舗間のストア・イメージに基づく店舗評価,マーケティング・サイエンス, Vol.27, No.1,7-26
- 宮津和弘,佐藤忠彦(2019),心理会計の影響を考慮した来店間隔の統計モデル,日本統計学会誌,Vol.48,No.2,113-146
- Ishigaki Tsukasa, Terui Nobuhiko, Sato Tadahiko and Allenby G.M.(2018), Personalized Market Response Analysis for a Wide Variety of Products from Sparse Transaction Data, International Journal of Data Science and Analytics, Vol.5, No.4, 233-248
- Miyatsu Kazuhiro,Sato Tadahiko(2018),Modeling the Heterogeneous Mental Accounting Impacts of Inter-shopping Duration,CCIS 949,1-16
- Ryoke Mina,Sato Tadahiko(2018),Kansei Knowledge Extraction as Measure of Structural Heterogeneity,CCIS 949,142-157
- 佐藤忠彦(2018),統計モデルによる消費者理解の可能性,統計数理,Vol.66,No.2,249-265
- 井上友彦,佐藤忠彦(2018),人的販売のストックと閾値効果のモデル化,応用統計学,Vol.47,No.1,17-42
- 佐藤忠彦(2017),状態空間モデルのマーケティングへの応用,岩波データサイエンス岩波データサイエンス Vol.6 特集:時系列解析――状態空間モデル・因果解析・ビジネス応用,Vol.6,57-67
- 友尻小百合,佐藤忠彦(2017),インド消費者のストア・パトロネージ 形成メカニズムに関する研究,流通研究,Vol.20,No.1,69-91
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2016),百貨店顧客の来店回数生起メカニズムの構造異質性の解析,行動計量学,Vol.43,Mo.1,53-68
- 日高徹司,佐藤忠彦(2016),消費者とブランドとの関係を考慮した階層ベイズモデルによるクロスメディア効果推定,日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌,Vol59,106-133
- 宮津和弘,佐藤忠彦(2015),心理的財布と購買行動の関係性のモデル化-階層ベイズ閾値ポアソン回帰モデルの提案,応用統計学,Vol44,No.3,161-182
- 佐藤忠彦(2015),統計学的マーケティングとは何か? -マーケティングで統計学を有効活用する視点から-,統計,Vol67,No.2,8-14
- 青柳憲治,佐藤忠彦(2015),3階層多変量状態空間モデリングによる動的市場反応形成メカニズムの解明,日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌,Vol.58,70-100
- 佐藤忠彦(2014),マーケティング関係のビッグデータ解析, エストレーラ,244巻, 14-19
- 石田実,西尾チヅル,佐藤忠彦(2014),購買推奨確率モデルによるビッグデータの解析,オペレーションズ・リサーチ,Vol.59,No.7,390-400
- 佐藤忠彦, 樋口知之(2013), ビッグデータを用いたマーケティングモデル-データ同化適用の可能性, シミュレーション,Vol.32, No.4, 306-312
- 山田浩喜,佐藤忠彦(2012),階層ベイズモデルによる百貨店の態度ベース店舗満⾜化構造に関する解 析,マーケティング・サイエンスVol.20,No.1,17-41
- 佐藤忠彦(2010),マーケティングにおける結果データの動的活⽤のためのベイジアンモデリング,オ ペレーションズ・リサーチ,1⽉号,25-30
- 佐藤忠彦,樋口知之(2009),動的個⼈モデルによる購買⽣起⾏動の解析,マーケティング・サイエン スVol.16,No.1・2,49-73
- 佐藤忠彦,樋口知之(2008),動的個⼈モデルによる消費者来店⾏動の解析(討論付),⽇本統計学会 論⽂誌, 第38巻,シリーズJ,第1号,1-38
- 佐藤忠彦,樋口知之(2008),動学的売上反応モデルによるPOSデータの解析,マーケティング・サイ エンス,Vol.15,No.1,2,1-26
- 佐藤忠彦,樋口知之(2007),POSデータの時系列モデリングによる知識発⾒-新製品投⼊の消費者価格 反応変化に及ぼす影響の解析-,⽇本⼈⼯知能学会論⽂誌,第22巻,2号,200-208
- 佐藤忠彦,樋口知之,北川源四郎(2005),マルコフ切換モデルによる観測されない⾮価格プロモー ション実施の有無の統計的推測法,⽇本応⽤数理学会論⽂誌,Vol.15,537-570(IAOR誌掲載)
- Sato Tadahiko,Higuchi Tomoyuki(2004),A Stochastic Switching Model with Time-Varying Price Effects. Proceedings Recent Development of Statistical Modeling in Marketing, 225-248
- Sato Tadahiko,Higuchi Tomoyuki and Kitagawa Genshiro(2004),Statistical Inference using Stochastic Switching Models for the Discrimination of Unobserved Display Promotion from POS Data.Marketing Letters,No.15.Vol 1,37-60
- 佐藤忠彦,北川源四郎(2002),マルコフ切り換え回帰モデルによるPOSデータの解析.⾏動計量学, 第29巻,2号,233-245