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竹川 智恵子さん

  • 外資系医療機器メーカー
  • 経営システム科学専攻

Q.入学の動機を教えてください。
A.動機は2つありました。ひとつには、マーケティングスキルの向上です。当時の私の業務では、長年、定性的なマーケティング手法が用いられていました。しかし、業務上の困難な課題に直面した時に、定性的な手法だけでは解決が難しく、定量的なマーケティング手法の必要性を感じました。また、マーケティングの理論を体系的に学びたいと考えました。
もう一つは、アジア・パシフィックのメンバーと協働する機会が頻繁にあったのですが、彼らは非常に優秀で、MBAホルダーが多いです。彼らと同じ土俵で議論し、ともに仕事をしていくためにもMBAを取得したいと思いました。
Q.研究内容を教えてください。
A.若者のオーラルケア行動の規定要因について研究しました。歯は臓器と違って一度削ると再生できないため、若い頃からきちんとケアをして歯を守ることが望ましいのですが、なかなかそうはいきません。若者がオーラルケア行動によりよく魅力を感じ、最終的には正しい行動をとるために、マーケティングの側面から何ができるのかが問題意識にありました。
先行研究を基に仮説モデルを設定し、つぎにマーケティングや心理学の尺度を用いて調査票を作成し、若者層と中年層を対象に調査を実施しました。ポアソン回帰分析などの統計分析を用いて、年齢別や価値観にもとづくクラスター別に規定要因を分析した結果、若者には特有の規定要因があることや、価値観のクラスター間でも規定要因が異なることが示されました。

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Q.研究で大変だったことはありますか。
A.研究の目的に対する明確なゴール設定と、そのための適切な分析手法を見出すことに苦労しました。統計ソフトの使用経験がほんどなく、RもGSSMで初めて触れたレベルでしたので、研究テーマに対して適切な分析手法を見出すことに苦労しました。研究を進める過程において、主指導教員である西尾チヅル先生からは、「研究で何を明らかにしたいのか明確にすること」と折に触れてご指導をいただきました。一時期、研究がなかなか思うように進まず苦戦しましたが、再考を重ね、ようやく分析データを収集できたのは2年次の秋。それから集中的に分析し、修士論文として仕上げていきました。
統計ソフトの使用経験がほんどなく、RもGSSMで初めて触れた程度でしたので、データ分析段階では基礎的な部分から副指導教員の佐藤忠彦先生に助けていただきました。分析時期はちょうど海外出張が重なり、出張先のホテルでもRを回していました。あのときは大変でしたね。
Q.学生生活について教えてください。
A.1年次は、単位取得のため、週4日~5日は授業を受けていました。授業では、専門領域であるマーケティングだけでなく、ファイナンス、経営戦略論や経営組織論などの科目も体系的に学ぶことができ、毎日忙しかったですが充実していました。同期生は20代から50代まで年齢も幅広く、業界・職種の異なる多様な社会人学生が在籍しており、おかげで人的ネットワークも広がりました。
後期以降はゼミが加わり、週一回ゼミに出席し、先生やゼミの同期からフィードバックを受けながら、自分の研究を進めていきました。2年目はほとんどゼミと自分の研究に専念しました。所属していた西尾ゼミは博士課程の方も参加することもあり、レベルの高い議論に参加させていただくことができました。

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Q.仕事と研究の両立は大変ではありませんでしたか。
A.正直、大変でした。仕事と研究を両立するためには、よく言われることですが、時間のマネジメントが大切だと思います。私の場合、平日は18時まで仕事。それから21時まで授業。その後は、帰宅して授業の課題やレポート作成をしていました。特に1年次は、提出課題も多いので、寝る暇や遊ぶ暇を惜しんで課題をこなしていました。
また、同期のサポートも大きかったです。ビジネス数理や統計の課題では、理系出身者にずいぶん助けてもらいました。
Q.GSSMの学び実務で活かせそうですか。
A.経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われます。これまでのマーケティングの業務では「モノ」の部分に関わってきましたが、GSSMではファイナンスや組織論の授業を通じて「ヒト」や「カネ」の部分を体系的に学ぶことができ、以前に比べて経営的な視点で考えられるようになってきたと思います。
また、研究では常に「研究目的を明らかにすること」に時間を割いてきたので、ビジネスでも明確にゴール設定することが常となりました。実務では、スピードを重視するために、ゴール設定が曖昧なまま計画や実行したり、過去と同じやり方を続けたりすることがありますが、問題の本質や成し遂げるべきビジネスのゴールを重視して実務能力を高めていきたいと思っています。GSSMで学んだ定量的な統計手法も積極的に使っていきたいですね。
ありがとうございました。

 

(2017年2月取材)