経営システム科学専攻は、国立大学における有職社会人を対象とした最初の夜間大学院として、平成元年の発足からちょうど30年の節目を迎えます。創設からこれまでに多く方々が本専攻を修了され、さまざまな分野で活躍されています。

この30年の間に、社会やビジネスを取り巻く環境は大きく変化しました。中でも、情報技術が社会の隅々まで浸透し、データの収集や活用がビジネスにおける重要な課題となったことは最も大きな変化と言えるでしょう。当専攻は、設立当初からビジネスにおける情報技術の重要性に着目し、関連分野の教育に力を入れてきました。現在も「戦略・組織」、「マーケティング」、「会計」、「ファイナンス」の経営領域に加えて、「オペレーションズ・マネジメント」、「統計」、「知識・情報技術」、「システム・ソフトウェア開発」を教育の柱として掲げています。

当専攻のもう一つの特徴として、コースワークだけでなく修士論文研究に力を入れている点が挙げられます。研究と実務は一見すると距離があるように思われるかも知れませんが、当専攻では学生が直面しているビジネス上の課題をテーマとして設定しますので、両者は密接に関連しています。コースワークで学んだ理論や技術を実際の課題に適用して解決を目指す、簡単な作業ではありませんが、修士論文の作成を通して机上の論理ではなく、生きた知識や技術を修得できるものと考えています。

人生100年時代と言われ、従来の終身雇用を中心とした働き方も変わりつつあります。そうした中で、社会人にとってのリカレント教育の重要性は、今後さらに増していくものと思われます。仕事と学業の両立は容易ではありませんが、新たな学びの機会を通じて知識や技術を高め、あるいは人脈を広げることは、ビジネス上のキャリアをさらに進めるためのチャンスでもあります。当専攻は、30年間の経験を十分に活かして、より質の高いリカレント教育の場を提供していきたいと考えています。

専攻長 牧本直樹(Naoki Makimoto)